タブラは左右対でセットの打楽器です。
ダヤ(右、スリムな木製ボディ)と
バヤン(左、丸っこい金属ボディ)
バヤンの方が打面が一回り大きく低音が出ます。素材はカッパーやスチールで中空なので以外と軽いです。奏者のプレイアビリティを稼ぐために内部底に鉛の塊を埋め込むタイプのものもあって、それは若干重たくなります。
低音を担っているために皮の張力は右と比べると緩く設計されてます。
今回はこのバヤンの皮張り替えをしたので写真付きで説明していきます。
誰得なマニアックです笑
まず完成図
左のステッカーが製造元の工房(ブランド)で
RHYTHMというコルカタのメーカー。
Mukta Dasていうおっさんの工房で作っててインドに数あるタブラメーカーのなかでも人気の高い有名な作り手です。
皮の外周のヘリに編み込みがはいってて、皮もボディも薄くて軽いのが特徴的。サウンド的には胴鳴りよりも皮鳴りを狙って作られてます。音圧よりも音ヌケを重視してる感じでPt.Kumar Bossをはじめたくさんのタブラ奏者が愛用してます。
まずは古い皮を外します。
カッパーボディにはダンスやタイコの神様でもあるガネーシャが彫られてます。
上下16ヶ所ずつ通して締められるのでひとつずつ抜いていきます。今回はこのヒモ(バッティ)を次回も流用するので抜いてますが、バッティの劣化が進んでる場合は容赦なくカッターで切ります。
取れました!
確か7年くらい前に買ってそのままなので
長年の埃や汚れ、サビを落とします。
中身。からっぽ。
使う道具は
ハサミ、千枚通し、ペンチ、麻紐、
新しい皮をセットして麻紐で上下を仮留めしていきます。だいたい8ヶ所くらい。
ここまで30分弱。
そしてここからが本番。
長くて痛くてめんどくさくて神経使う作業にはいります。
10m以上ある硬い革紐を下のリングと打面ヘリの穴を往復しながら通します。
裏表を間違えないように手繰りながら、
リングが歪まないよう出来るだけ均等に、
強すぎて革紐が切れない様に。
途中から摩擦で指が擦り剥けてきて握力も無くなってきます。
湿気の多いこの時期は不均等な張力で皮が歪むのを避けるために途中で止める訳にはいきません。
地味な作業が延々と続きます。
指ボロボロ、汗だく、精神も削られ、
こんなん修行でしかない。
BGMはゆるーいボサノバ。
ふー
ここまで2時間半くらい。
皮張りはとりあえずフィニッシュ!
あとは緩みをなくしながら張力を均等になるように調整していきます。
音を確かめながらバランスが揃ってきたら表皮の隙間に絹糸を差し込みます。
これで叩いた時の残音(サステイン)が伸びます。
はい!
要領がわかってきて少しずつ時間が短縮できるようになってきましたが、まだ3時間くらいはかかります。精進します!
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お手持ちのタブラ張り替えオーダーの依頼いただけます。
サイズの在庫あれば半月くらいでお渡しできます。
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楽器のコンディションにもよるけど
直近では
7/18の近江八幡のライブ
8/6の大阪高津宮の6時間キルタンで使うと思います。
お疲れ様でした〜
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